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不思議体験

近所のヤマデンのレジ。支払いをしていると、後ろについていた

60代のおばさまが、大きめの声でしゃべり出した。

「ポイントカード忘れてきてな、このポイントをな・・・」

とここまででは、独り言かと思った。

「あんたにあげるから、つけてもらっとき」

と聞いて、俺にしゃべっているのだと気づく。

振り向くと、笑顔で

「カード忘れてきたんよ、ほなけどもったいないけんな。あんたにあげる。」

俺はとっさに

「いや、ああ・・・大丈夫です、ハハハ・・・」

と返したが、強引に勧めてくる。レジのおねえさんは無視を決め込んでいて、

俺は笑うしかなく、「ありがとうございました」と妙な礼をいい逃げるように出て行った。

その足でローソンへ。

昼前だったけど、あんまり混んでなくサンドイッチとヨーグルトを手にレジへ。

60代のおばさま(さっきの人とは違うおとなしい感じの印象)が、俺の前で待っていた。

そのおばさまも、しゃべり出す。

「お先にどうぞ・・・あたし急いでませんから」

とほほえみかけてくる。同時に、後ろに2,3歩下がったものだから

「あ、ありがとうございます。すいません・・・」と俺。

お待ちの方、こちらへどうぞ。と奥のレジのおにいさんが、おばさまを誘導。

支払いが終わっても、なんかそのおばさまの視線を感じたもんだから、

そっちの方を向いて、会釈してそそくさと店を出た。

 

たった15分ぐらいの間に、続けざまに同世代の二人の

おばさまから好意をいただいた。その、なんとも不思議な感じは伝えにくい。

好意を受けるか否かの線引きは、どこなのか?

おばさまが声をかけたくなった今日の俺は、どんな俺?

俺は、そんなに急いでいたり、ポイントが欲しそうに見えるのか?

隠しカメラがあったら、その映像を見てみたい。

 

謎だ。