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世代を超える記憶

 

ビートルズの来日公演は1966年で 

以降の 日本人の音楽の嗜好性に

多大なる影響を与えたと言われている

ボクは1歳足らずで リアルにその熱狂ぶりを知らないわけだが

その衝撃を受けた若者が ミュージシャンとなり 

ボクらの世代に 間接的に多大なる影響を与えた

さらに ボクらの世代のミュージシャンが 次の世代に影響を与え

60年近く経った今も ビートルズの世界感が 息づいている

実際 2022年のヒット曲にも ビートルズの香りがするものは多い

世界ではラップやヒップホップがスタンダードでも 

日本はJ-POPという名の ビートルズサウンドなのだ

お隣の韓国では それが マイケル・ジャクソンのようだ

K-POPのルーツが マイケル・ジャクソンだと言われたら納得感がある

みんなそろって 巧みに歌い 踊っている

おそらく 国民単位で浴びた 鮮烈な経験の記憶は 

世代を超えて受け継がれるのだろう

 

そうだとしたら 第二次世界大戦の敗戦という記憶は 

おそらく今も息づいている

それは ビートルズやマイケル・ジャクソンとは 次元の異なる痛烈さだ

しかも カタルシスではなく トラウマとしての記憶

その記憶を どう扱うか どう癒すか どう克服するか ということが

戦後の日本人のメンタリティの根底にあったのだと想像する

神道は悪となり 伝統は嘘くさく 日本人としての誇りや自信は損なわれた

そして仏教は 確固たる機能性を提示できなかった

日本人の いわゆる知識層にありがちな左翼的嗜好性は 

魂の救済のひとつだったのではないか と思ったりする 

その証拠として その言説は つねに宗教性を帯びている