抜け感

デザインにしろ　写真にしろ　

映像にしろ　建築にしろ

良いクリエイティブには　抜け感　がある

抜け感は　脱力感などではなく

突き抜けていく　爽快感だ

会社員時代の　２０代半ば

かっこいいコピーを　世に出したくて

それなりの自信作を　ひっさげて

社長に　直談判したことがある

「これはコピーじゃない　思考の途中の言葉に過ぎない」

・・・そう言われ　ムカッとしつつも　かなり落ち込んだ

今から思えば　あの社長の発言は　素晴らしかった

「一太郎」というネーミングをした方だから　

当然といえば当然　こっちが単に若くてバカだったのだ

不明瞭　くどい　平板　ふつう　陳腐　独りよがり・・・　　

抜け感の対極にあるクリエイティブを

恥ずかしながら　いっぱいつくってきた

だから　分かる

抜け感のないクリエイティブは　ただのゴミだ

抜け感を求める苦しさと　抜けた時の清涼感

それを共有できる人たちと

いい仕事を　積んでいきたいと思う