Feb 2011 « 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 »

050対談-7(ゼロ・ゴ・ゼロ2011年2月号)

とくしま業界人本音トーク

へえ~そうなんだ!?  第七回 日建工業(株)  清重武彦さん

文:新居篤志 イラストレーション:藤本孝明

 

人の心に土足で踏み込むことを使命とする不肖コピーライター新居篤志が、徳島で頑張るいろんな業界の面々に、飾らない本音を聞き出す連載対談シリーズ。第七回は、建設業界の燃える闘魂、清重武彦さんの登場です。

 

 

必殺技は「まあまあまあ」。

 

新居:工場を拝見するに、町の鉄工所さんという感じでイイですね。ここの創業はいつですか。

清重:昭和40年です。親父の時代は鉄工だけやってたんですけど、今はお客様にもっと近づきたい、ということで住宅やリフォームも請け負ってます。

新居:儲かってますか?

清重:まあこの業界はご存じの通り良くはないですね。売上げは、ずうっと横ばいって感じです。

新居:家業を継ぐことに抵抗はなかったですか?

清重:長男やし、いつかは家にもんてこないかんって思うてました。「継がんでもええ」って口では言うんやけんど、「でももんてきいよ」みたいな無言のプレッシャーを周りから受けて育つんです、長男は(笑)。

新居:あるんやろうね、そういうの。清重さんは大学出て東京のゼネコンに入ったんですよね。

清重:はい、10年ほど勤めてたんですが、親父が亡くなったこともあって、今かなと思うて帰ってきました。

新居:こっちの環境に慣れるまで、大変やったでしょ。

清重:人脈が途切れた、っていうのが一番きつかったですね。営業するにもどう手つけたらええんか分からんかったし。

新居:で、どないしたの?

清重:人と出会える場所があったら、片っ端から顔を出しました。鉄骨組合、商工会、セミナー、消防団、福祉施設のボランティア、少年柔道の指導・・・。

新居:前半は想像つくけど、消防団や少年柔道の指導ってすごいよね(笑)。柔道は有段者?

清重:二段です。日本拳法も初段をもらってます。

新居:はあ~そりゃ素晴らしい。でも人脈づくりにしては仕事とかなり距離がある気もしますな。

清重:「僕がおりますよ」っていうのを知ってもらわんと始まらんので、とにかく手当たり次第に(笑)。ま、少年柔道は僕が感動をもろうたから、そのお礼というか・・・。

新居:いや~立派。僕は人見知りするから無理やな。

清重:そういう風には見えませんけど(笑)。

新居:なかなかできんよ、そういうの。地元や地域と交わるって、口では簡単に言えるけど、気は使わなあかんし、プライベートな時間は犠牲になるし・・・。たぶん続かんよ、普通は。

清重:うちみたいな中小零細企業は真面目にええ仕事しても、それだけでは仕事がこない。うちに頼もうって思ってもらうには、人間性とか信頼感を伝えるしかないと思うんです。だから直接会って自分を知ってもらう、これしかないかな、と。

新居:清重さんって体育会系というのもあると思うけど、そこまで対人関係にアグレッシブな人も珍しいと思う。どうしてでしょうね。

清重:僕は子どもの頃から何をやっても2番とか3番ばっかり。でも生徒会長とかキャプテンの経験は多くて、人をまとめるのが向いとるんかなあ、と。自分だけでは1番になれんけんど、仲間とのチームワークで1番になれたらええ、っていう風に思ってるところがあります。

新居:人をまとめることって難しいですよね。どないしたらええんでしょうか。何かアドバイスください。

清重:間に入って「まあまあまあ」って言う(笑)。

新居:「まあまあまあ」っすか(笑)。

清重:あとは、ハート。

新居:キャー!「ハート」って言葉、久しぶりに聞いたなあ~。

清重:言うんやなかった(笑)。

新居:いやいや、やっぱハートでしょ、男は。僕もそう思う。あー、なんか元気になってきた。正直ちょっと心配してたんスよ、建築業界が冷えてるんで、暗い話になったらどうしようって。

清重:暗い顔してぼーっと待ってても、仕事は降ってきませんからねえ。

新居:いいなあ、その感じ。清重さんと話すと元気になれますよ。

清重:「元気があれば、何でもできる!」っていうのが一番好きな言葉です。

新居:猪木っすか(笑)。この流れでいくと、イラストは猪木になっちゃいますが。

清重:たまに阿部寛に似てるって言われるんですけどね(笑)。

新居:言うじゃな~い(笑)。分かりました。目元が阿部ちゃん、アゴは猪木ということで。って、勝手に決めたらイラスト担当の藤本さんに怒られそうですけど。

清重:元気があれば、何でも描ける!

新居:それは、無理かも(笑)。

 

対談後記

「僕らの世代は親父の世代と違って、ほんまの意味での苦労を知らん世代やと思います。今は不景気で大変やけど、まだまだ頑張れる余地はいっぱい残ってるはず」と清重さんは言う。「甘っちょろいかもしれんけんど、小さい会社はみんなががんばって共存共栄せなあかんと思います」とも。高度経済成長期に生まれ、若い頃にバブルを経験した僕らの世代は確かに苦労知らずで、甘ったるい気分を引きずったままオジサンになってしまった。けど、今という時代に絶対的に足りないのは、僕らの世代が持つあっけらかんとした明るさや優しさなのだと思う。*新築・リフォームのご用命は元気になれる日建工業まで! TEL 088-674-1756

 

◎Takehiko Kiyoshige

昭和41年石井町生まれ。日建工業(株)社長。大東文化大学卒業後、東京の中堅ゼネコンに就職。11年前父の他界を機にUターン。忙しい仕事の合間を縫って消防団や少年柔道の指導など、地域のボランティア活動にも積極的に取り組む。夢は鉄骨の徳島城を建てること。