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ニサバ

たまに行く 近所のフランチャイズの定食屋

おかずを選んで ご飯の大きさと 味噌汁の要不要を伝えて

精算するスタイルの店

入り口で手を洗ってたら 元気の良い おばちゃんスタッフの声が聞こえる

「本日 ニサバ 半額となっております! いかがでしょうかー」

多めに陳列されたモノを見て 「ニサバ」が「煮サバ」のことだと理解したが

小さな違和感に襲われる

なんとなく そのニサバを取り 小松菜のおひたしと きゅうりの酢の物を

トレイにのせ レジへ進む

その間 おばちゃんは そのフレーズを来る客全員に向かって 繰り返し叫んでいる

「本日 ニサバ 半額となっておりまーす」

三回目くらいに 「ニサバ」のアクセントの位置が変じゃないか と気づいた

最初の「二」にアクセントを置いて 「二・サバ」と叫んでいる

「天下」の言い方に似ている

アクセント そこじゃないんじゃないの…  ということが気になり 味噌汁を頼み忘れる

席に座って 割り箸をわり ちょっと待てよ… と思う

だいたい「煮サバ」ってコトバある…? 

「サバの煮付け」やろ!

「サバの塩焼き」→「塩サバ」 なるほど このロジックね

待て… 「塩サバ」は 塩をまぶした生のサバのことか?

わからん…  

まあいずれにしても コトバを短くすることの合理性は理解するし 

視覚との連動でコミュニケーションは成立しているので 

それは良しとしよう… でもアクセントだ

「ニサバ」は 「天下」の言い方ではなく 

「歩み」の言い方じゃないだろうか…

じゃないだろうかって なぜ オレは言えるのだろうか…

 「ニサバ」初心者のくせに なぜ自信めいたものがあるのか…

 

複雑な昼食をとったせいで 腹の調子が悪い