ヤングマリン

小学生ぐらいの頃だろうか　街の外れに

流れるプール ヤングマリン

という　ヤング御用達のプールがあった

家庭用そうめん流し機を巨大にしたような設計で

学校のプールに飽き飽きしていたヤングを虜にしていた

ような気がする

浮き輪と一緒に  ぷかぷか浮かんでいると

水流にカラダを運ばれ　空中遊泳気分を味わえる

また　水流の勢いを借りて　ハイスピードで泳ぐ

逆に　水流にあらがって　鮭の遡上みたいに泳ぐ

なんてことをして　楽しむヤングもいた

今思えば　何が楽しかったのか　よく分からない

大人になって　そのヤングマリンの夢を　たまに見る

照りつける太陽　水しぶきと叫声が響くなか　

ヤングマリンを満喫する　ヤングたちを見ながら

ボクは　イスに座って　煙草を吸っている

自分はいったいどんな顔をしているのか　見たくなって

夢だと気づき　目が覚める