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それでいいの?

昨晩、タクシーにのったらこんなコピーに遭遇した。

快適空間クリエイター

××××タクシー

 

紙面にはドライバーのすました証明写真風のポートレートがあり、

「すべてはお客様の満足のために」というタイトルのリードコピーも添えられていた。

 

このタクシー会社にも、これを制作した人にもなんの恨みもないが、

(むしろ信頼していてよく利用している)自分のために、書いておく。

 

これは、やっちゃいけないコピーの見本だ。

「快適な空間をクリエイトする」と言われても、何も感じない。

むしろ煩わしさや鬱陶しい後味が残る。

要するに発信する側だけが、「その気」になっているだけだ。

客がタクシーに求めるものは何か、ドライバーに求めるものは何か、

我が社の姿勢はどうだと訴えたいのか、

うんうん唸って、ひねり出した痕跡をまったく感じない。

 

ほとんどの広告は、現場でのリアクションを計れないし、

もし面と向かって聞いたところで、「ふうん」とか「いいんじゃない?」とか「別に」

ぐらいの回答しか待っていないものだ。

だから、「なんとなく良い感じ」「それらしい」コピーでも、

クライアントや世間から批判を受けることもない。

 

批判を想定しないということは、堕落を想定しない、ということだと思う。

その辺の感覚が鈍くなったら、潔く仕事を辞めたい。