Wed September 30, 2009 [ Comments: 0 ]
それでいいの?
昨晩、タクシーにのったらこんなコピーに遭遇した。
快適空間クリエイター
××××タクシー
紙面にはドライバーのすました証明写真風のポートレートがあり、
「すべてはお客様の満足のために」というタイトルのリードコピーも添えられていた。
このタクシー会社にも、これを制作した人にもなんの恨みもないが、
(むしろ信頼していてよく利用している)自分のために、書いておく。
これは、やっちゃいけないコピーの見本だ。
「快適な空間をクリエイトする」と言われても、何も感じない。
むしろ煩わしさや鬱陶しい後味が残る。
要するに発信する側だけが、「その気」になっているだけだ。
客がタクシーに求めるものは何か、ドライバーに求めるものは何か、
我が社の姿勢はどうだと訴えたいのか、
うんうん唸って、ひねり出した痕跡をまったく感じない。
ほとんどの広告は、現場でのリアクションを計れないし、
もし面と向かって聞いたところで、「ふうん」とか「いいんじゃない?」とか「別に」
ぐらいの回答しか待っていないものだ。
だから、「なんとなく良い感じ」「それらしい」コピーでも、
クライアントや世間から批判を受けることもない。
批判を想定しないということは、堕落を想定しない、ということだと思う。
その辺の感覚が鈍くなったら、潔く仕事を辞めたい。