Wed September 16, 2009 [ Comments: 0 ]
陸上部 Ⅱ
一年生しかいない陸上部のキャプテンは、
必然的に一年生である。
秀才で短距離の速いS君が選ばれたのも必然。
S君の真面目さは、その髪型にも表れていた。
潔い丸坊主である。
キャプテンは、練習をよくさぼる僕たち悪ガキを
いつも哀しい目で見ていた。
たまに「ちゃんとやろうよ!」と、
怒ったように言うこともあったけど、
僕たちは無視してヘラヘラしていた。
マラソンを走るようになって、
夢にキャプテンが登場したことがあった。
やっぱり、キャプテンは哀しい目をしていた。
「ごめん、もう、ちゃんと走るけん・・・」
と言いたいんだけど、やっぱり言えない。
そんな夢だ。
S君、あの頃は、本当にごめんなさい。
最近ね、あの頃の分もまとめて走ってるんで、
許してくんない?