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遺伝子みたいなもの

親父は昔ながらの大工で

年を取るにつれ その遺伝子みたいなものを

自分のなかに感じることがある

 

ひとつは 雨の日 やる気が出ないこと

雨の日の親父は 「仕事にならん」とかなんとか言って

日がなブラブラしていた記憶がある

(梅雨時は どうしてたんだろうねえ・・・)

 

もうひとつは 陽が落ちると 今日はおしまい! と思うところ

(昔の職人さんの勤務時間は 明るくなってから日没まででした)

冬の今どきは 夕方5時ぐらいでも 

「ああ今日も終わった」 と思っている自分がいる

 

手先が器用とか 高いところが平気とか 腕っ節が強いとか

ケガをして血を流してもヘラヘラできるとか

そういう職人らしいところは いっさい遺伝していない

 

あと最近気づいたことで 

夜一人で家にいるとそわそわする というのがある

どちらかというと 一人でぼーっとするのは好きなんだけど

夜だけは だめ

 

親父は 母親が 一晩家を空ける時は 枕元に木刀を置いていた

納屋にしまい込んでるやつ(確か本人の作品)をわざわざ持ち出して

暴漢がきたら 母親を盾にするつもりも無かっただろうから

今思うと 夜一人っきりになるのが 怖かったんだと思う

親父にも怖いものがある というイマジネーションが

子どもの頃には湧かなかったので とても不思議だった

見るからに屈強な身体で 般若の面みたいな顔をした親父が 

脇に木刀を置いて 寝付きの悪い夜を過ごしていた

と思うと ほほえましい

 

いずれにしても 父親からの遺伝子は

へんてこなものばかりで ちょっと情けない