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対談連載-3(ゼロ・ゴ・ゼロ 2010年10月号)

とくしま業界人本音トーク

へえ~そうなんだ!?  第三回 医学博士 赤池 瞳さん

文:新居篤志 イラストレーション:藤本孝明

 

人の心に土足で踏み込むことを使命とする不肖コピーライター新居篤志が、徳島で頑張るいろんな業界の面々に、飾らない本音を聞き出す連載対談シリーズ。第三回は徳島の美容医療をリードするカリスマ医師、赤池 瞳さんの登場です。

 

 

大予言! 10年後、中国人女性の肌が危ない。

 

 

新居:あの~、先生っておいくつになられましたか?

赤池:53歳です。

新居:ワオ! 月日が経つのは速いですねえ。以前、先生が僕のことをニイさんって呼んでいるのを聞いた人が、「赤池先生のお兄様ですか」と言ったこと、僕は未だに根に持ってます(笑)。

赤池:ありましたねえ(笑)。 

新居:まあ、そのぐらい先生が若く見えるってことなんですが、自分としてはこれじゃイカン、もっと若く見られるようにせねば・・・と心に誓ったわけです。

赤池:若々しくありたい、って願うのは女性も男性も同じですよね。で、ここがポイントなんですが、「自然にさりげなく若々しい」というのを皆さん望んでるんだと思います。60歳の身体に20歳の顔がくっついたら、やっぱり違和感があるだろうし。「あの人、なんか肌がきれい・・・どんな化粧品使ってるんだろう」ぐらいに思われるのが理想かもしれません。

新居:たしかに。「あなたの顔、整形してるの?」って言われるのは行きすぎのような・・・

赤池:実は私は何度か言われたことあるんですけど、逆に嬉しかったです。うちの場合、メスを使った治療はしないんですけど、「ほぉ、そこまで効果があったか、あの治療」って内心ほくそ笑んだりして(笑)。

新居:それは先生ならではの知られざる密かな悦びですなあ(笑)。ところで、赤池クリニックのホームページを拝見すると、「こすらない洗顔」とか「肌断食」というキーワードがたくさん出てきます。なんとなく信じてた一般常識みたいなものが覆されて「ウソ~?」っていう患者さん、多いんじゃないですか?

赤池:「こすらない」っていうのは、最近でこそメディアに取り上げられるようになったのですが、今でも「えっ?」って感じの方が多いと思います。日本ではバブルの頃から、シミ(肝斑)、敏感肌、乾燥肌、大人のニキビが急増したんです。これは皆さんが裕福になり、今までは化粧水1本で寝てたのに、ダブル洗顔、マッサージ、美容液、乳液、クリームとお手入れをしすぎた結果なんです。

新居:ほぉ~。

赤池:今までで、一番キメが無く肌があれていた方は、毎日しっかりダブル洗顔をして、マッサージをして、化粧水、美容液、乳液クリームなど10種類近く化粧品を塗っていました。洗いすぎと化粧品の塗りすぎをやめましょうと提案したところ、すぐに敏感肌、乾燥肌は改善しました。「洗顔後、すぐに化粧水をつけないとパリパリに突っ張っていたのが、顔洗って何にもつけなくても突っ張らないのに感激してます」と言われたのが印象に残っています。

新居:なるほど。でも世の女性たちは「もっともっと!」って感じで、やっぱりいろいろ試したり塗ったりしたいんだろうなあ・・・。

赤池:ある患者さんは、敏感肌で化粧品にすぐかぶれるということで、洗顔をシンプルに優しくして化粧品はジェル化粧水1個だけにしていただきました。朝は日焼け止めとパウダリーファンデーションは塗りますが、夜はジェル化粧水だけ。普通なら1ヶ月くらいで治るはずなのに、どうも治りが悪い。おかしいなあと思っていたら、治った頃に患者さんが言いにくそうに「化粧品1個しか塗ってはいけないと言われたけど、どうしても塗りたくて美容液とかクリームを使いました。何で先生は塗って治してくれないの!と思いましたが、思い切って塗るのをやめたら治りました」。

新居:美容医療って、奥が深いなあ・・・。先生のところにはすごい「レーザー」がいっぱいあると聞いたんですが、今のお話を聞くかぎり出番が無さそうな気もしますが。

赤池:いやそうではなくて、レーザーじゃないとうまく治療できない症状もいっぱいありますし、患者さんが望む若返りの度合いや治療スピードもありますから、レーザーを積極的にお勧めする場合もあります。ただ「こすらない」「塗りすぎない」はスキンケアの基本ですから、レーザー治療をするしないに関わらず、しっかりとお伝えするようにしています。

新居:なーるほど。

赤池:話は変わりますが、最近よく思う予言みたいなことがありまして・・・

新居:予言? ぜひ、聞きたいです!

赤池:10年後、中国ではシミや肌あれに悩む女性が急増するでしょう。

新居:・・・?

赤池:今、中国では日本の化粧品がデパートなどで大人気のようです。化粧品目当ての日本観光も増えているとか。これ、日本のバブル期と同じ状況だと思うんです。

新居:つまり、この10年で今の日本人女性と同じ悩みを、中国人女性が抱えることになる!

赤池:正解。

新居:先生、それものすごいビジネスチャンスですね。中国進出ですか!

赤池:いえいえ、そういうのはもっと秀でた人がいると思いますので(笑)。私は身の丈にあわせて、ここでがんばり続けます。

新居:もったいないなあ~。先生、僕を弟子にしてくれませんか?

 

 

対談後記

「自分だったらどうして欲しいか」をいつも考えているという赤池先生。もともとはご本人の肌あれが原因で、この道を志したそうだ。美容医療の現場は想像していた以上に奥が深く、一筋縄ではいかない世界だと思い知らされた。「押しつけるだけでは患者さんは続かない。悩みを持つ方と一緒にがんばって治していこう、というこちら側の体制づくりが大切。もっと言うとスタッフのチカラってとても偉大なんです」とも語る赤池先生。中国進出にはまったくご興味がないようですが、師匠、ここはひとつ前向きに・・・。すいません、ひつこいですね(笑)。

 

◎Hitomi Akaike

昭和32年岡山市生まれ。asc(AKAIKEスキンケアセンター)グループ代表、医学博士。徳島大学医学部卒。医師として美容治療の最前線に立つとともに3店のサロンを経営。「医療と美容の融合」を掲げる先進的な取り組みは、全国的に注目されている。