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050対談-17(ゼロ・ゴ・ゼロ2012年1月号)

とくしま業界人本音トーク

へえ~そうなんだ!?  第十七回 サーブ代表 金森直人さん

文:新居篤志 イラストレーション:藤本孝明

 

人の心に土足で踏み込むことを使命とする不肖コピーライター新居篤志が、徳島で頑張るいろんな業界の面々に、飾らない本音を聞き出す連載対談シリーズ。第十七回は街に元気をつくるイベントプロデューサー、金森直人さんの登場です。

 

この街、天気になあれ!

 

新居:久しぶりやねえ。

金森:こないだ会ったばかりですよ(笑)。

新居:対談っぽいやん、こういうはじまりの方が。

金森:あの~ゼロ・ゴ・ゼロって50歳以上が対象読者なんですよね?

新居:ちゃうよ、 人生の半分以上を生きてきた人。

金森:僕、まだ37歳なんですけど。

新居:もう40歳みたいなもんやから、かんまんかんまん。しかし、キミ37歳にもなったんや・・・

金森:はい。

新居:初めて会った時はまだオシメしてたのにねえ・・・

金森:してませんよ!(笑) 20代前半でした。

新居:僕もそうやけど、キミもこの過酷な十数年間、よくイベント業とかいうわけの分からない仕事で食えてきたねえ。なんでイベントをやろうと思ったわけ?

金森:話せば長くなりますが・・・

新居:じゃ、やめとこ。

金森:いやいや、聞いてくださいよ~。えーと、東京の大学に行ってたんですんけどね、アメリカでネット・セキュリティの勉強をしようと思って、親に報告するために帰ってきたんですよ。

新居:ふうん。

金森:もっと興味もって聞いてくれますか!(笑) そん時に、たまたま「しんまちボードウォーク」がオープンしたてで、何気なく見に行って「こりゃヤバい!」と思ったんです。衝撃を受けたというか・・・

新居:ほお、ヤバいときたか。

金森:当時は東京に住んでて、かなり「東京かぶれ」してたんですけど、これはイケとんなあ!と思いました。ここでなんかできる!チャレンジしてみたい!街を元気にしたい!って真面目に思ったんです。

新居:出会っちゃったわけやな。人や映画に感銘を受けた話はよく聞くけど、街並みに触発される人もいるんやねえ・・・。勉強になりました。ところで、イベントの仕事ってね、いろいろと想定外のことが起こるから大変でしょ?

金森:まあ、そうですね。

新居:僕もたまに関わるんだけど、念入りに準備したと思って臨んでも、本番になったら必ず変なことが起こるんよな。呼んだタレントが想像以上にわがままだったり、弁当が足りなかったり、スタッフが料理を持ったままコケたり(笑)。

金森:準備までが仕事、本番は「成り行き」と思わなきゃやってられませんね、この仕事は。

新居:その辺の腹の据わり方が、さすがやね。でもあるでしょ、頭が真っ白になる場面が。

金森:ま、いちばんは「雨」ですね。

新居:だな。

金森:ザアザア降りなら、そのように設えを変えるんですけど、降り出しそうな感じの空がいちばん困ります。

新居:このままこの場所でやるか、屋根のある場所に移すか・・・。想像するだけで、胃がキリキリするわい。で、どうすんの、そういう時は?

金森:靴を投げます!

新居:ギャハハ(爆笑)。

金森:いや、マジですよ。

新居:ほんまに~? それで決めるわけ~

金森:はい、スタート時間は決まってますし、悩んでもしょうがないですから。それで・・・

新居:それで?

金森:周りの人の意見は聞きますが、判断は求めません。それを聞いたら、その人にも責任が生まれますから。

新居:キミ、男前やね~。感心するわ。

金森:いやいや(笑)。

新居:そういや、とくしまマルシェって晴れの日が多いね。

金森:おかげさまで。

新居:ちょうど去年の今頃に始まったけど、いまだに盛況が続いてるよね。ああいうイベントって継続させることに意味があるじゃない。キミの功績はでかいと思うなあ。

金森:いや、生産者がすごいんですよ。あそこに出店している人は徳島農業界のスペシャリストばかりですから。一般募集して誰でもOKだったら、もう終わってたと思いますよ。

新居:そうだよね。そこに行政的な平等主義みたいなのが入ると、絶対成功しないよね。行政って、結局予算を消化するんが目的だけど、僕らは内容や結果で評価されて、次の仕事につながるから。

金森:マルシェに限らず、行政ができないことをしよう、僕しかできないことをしよう、っていうんが僕の仕事の原点です。

新居:キミ、ほんま立派になったね~。

金森:もう、050世代ですから(笑)。

 

 

 

対談後記

「イベントは主催者のためではなく、そこに集まってくれるお客さんのためにある。お客さんが喜んでくれなきゃ、僕らの給料はない」と語る金森氏。水泳で鍛えた身体、モデルのように小顔で精悍な表情は、20代の頃と変わらないばかりか、ますます磨きがかかっている。とても腹立たしいヤツだ。何を隠そう、延期となった「とくしまマラソン2011」ポスターに彼を起用したのは僕だ。モデルになったおかげで、見ず知らずの人に「走る阿呆や~」と後ろ指をさされたこともあったそうな。イッヒッヒ。走る喜びに出会った人が走る阿呆になるように、しんまちボードウォークに出会った彼は、仕掛ける阿呆になった。生まれた街を自分のやり方で盛り上げるため、靴は投げても、さじは投げない。

 

 

◎Naoto Kanamori

昭和49年徳島市生まれ。中央大学に在籍中、ネットビジネスに興味を抱き渡米を考えるが、しんまちボードウォークとの運命的な出会いを果たし帰省。以降、カウントダウン、とくしまマルシェなど多数のヒットイベントをプロデュース。街の活性化を担う若き旗手として、多方面で活躍中。